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| ◆ 英BBC ミュージック・マガジン選：レコード時代史上最高のソ プラノ歌手ベスト10, 20 |  ▲ﾄｯﾌﾟ ﾍﾟｰ ｼﾞ |
| The 20 top sopranos of the recorded era by BBC Music Magazine | |
| ・英国BBCのミュージック・マガジンが22人の著名なオペラ批評家たちからの投票 により選定、2007年に公表したレコード時代の史上最高のソプラノ歌手 トップ20ランキングのリストです。 ........................................................................................................................................................
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| ・ 英BBCの当ソプラノ20ランキングについて、英ガーディアン紙の批評家マーティン・ケテル氏が述べている。多くの偉大なソプラノが入っていないことに議 論の余地がある。たとえば、第二次世界大戦前の著名な歌手、ロッテ・レーマン、フリーダ・ライダー、クラウディオ・ムツィオ、エヴァ・ターナーが除外さ れ、19 世紀の伝統を継承し偉大な実績を築いたアデリーナ・パティ、ネリー·メルバ、ルイーザ・テトラッツィーニやエミー・デスティンもリスト外。カラスやサザー ランド 時代からもセーナ・ユリナッチ、イルムガルト・ゼーフリート、リューバ・ヴェリッチュが外れている。さらにキリ・テ・カナワ、エリザベート・ゼーダーシュ トレーム、リサ・デラ・カーサ、バーナード・レビン、イレアナ・コトルバシュ、ジェシー・ノーマンやミレッラ・フレーニ、アストリッド・ヴァルナイもリ ストから不在。エレノア・スティーバー、ジンカミラノフやテバルディも除外。特にこんにちの歌手、ルネ・フレミング、アンジェラ・ゲオルギュー、 アンナ・ネトレプコ、ナタリー・デセイおよびバルバラ・フリットリの名がないことは驚きである。 たぶん投票した批評家たちに何らかの偏りがあったのだろう。それでも当リストの題“レコード(録音)の時代のソプラノトップ20”を考慮すれば、 それ相当のリストかもしれない。今後は過去のソプラノ黄金時代のようには行かないだろう。当ランキング2位のジョーン・サザーランド氏が以 前、インタビューで、「こんにちの若い歌手は基本的なボーカルテクニックを磨かないので、どのように息し、そして発し効果的に声に反映させるかがわかっ ていない。だから休めるところ、緩めるところ、続けるところで、ゆとりと余裕がなく、息を上手く声に反響できず、歌う至高の喜びとそれを視聴者へ伝えるこ と ができないように思える」と語り、同様に以前、イタリア人でテノール歌手のカルロ・ベルゴンツィ氏も語っている、" これからはイタリア人で真のテノール歌手は現れないだろう"と。 ------------------------------------------------------------------------------- ※参照文献："Are these the 20 best sopranos of the recorded era?"by Martin Kettle. Wednesday 14 March 2007. guardian.co.uk https://www.guardian.co.uk/music/musicblog/2007/mar/14/arethesethe20bestsopranos1 より. 意訳）アオキヒロシ |
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| 「マリア・カラスはソプラノ歌手として別格美しい声に恵まれていたわけではなく、常に不安定な高音を抱えていた歌手でした。しかし彼女には烈しい劇性と音 楽的な知性があり、それが彼女の舞台を、演劇的にも音楽的にも優れたイベントに仕上げたのです。」「･･････自分が演ずる役に対して厳しいアプローチ をし、そこで表現される言葉を知性豊かに操ったからです。ルチアやノルマも、かつては美声を披露するだけの役としか考えられていませんでしたが、カラス は、これらの役を真実味のあるドラマのなかへと入りこませていきました。そこには彼女の演技力があり、、明瞭な発声法があり、あるいは、言葉と楽節を単に 美しいだけではなく、ドラマとして意味のあるものに変質させる彼女の特異な才能があったのです。」 ------------------------------------------------------------------------------- ※「」引用：ジョン・ルイ ス・ディガエター 訳)細川晶 新書館 1994 『オ ペラへの招待』本中より |
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「カラスとサザーランドの『ルチア』について語るなら、『トスカ』なら、もちろんカラスになるだろう。しかし『ルチア』なら間違いなくサザーランドに
なるだろう。･･････もし目を閉じて、[劇場の演出や演技など]何も思い浮かべずに、『ルチア』でのサザーランの歌を聴けば、異次元の素晴らしさがわ
かるはずです。ただそれだけで心を動かされるのです。『ルチア』で彼女が演じて発する声はとても特別で情緒的なのです。」※1 by プラシド・ドミンゴ もちろん、ドミンゴは別の場で、カラスの偉大さの特徴の一部を端的に語ってますね。 「彼女[カラス]の声について言えば、人がよく語るように、確かに今風の意味では「美しい」声ではなかった。しかし、最も美しい声が、最も心に触れる声と いうわけではない。もちろん、最初に魅了されるのは音色だが、それを使うやり方で、一つ一つの音符に生命がこもるのだ。テレビジョンで見られたハンブルク のコンサート、たとえば『ドン･カルロ』、オーケストラが前奏を弾いている間でさえ、最初の音から、彼女はもうエリザベッタなのだ。そして、彼女が前奏か ら感じ取る通り、その音楽が、歌う前から彼女の表情に描かれて、見るものにはすべてがわかってしまうのだ。そして歌い出すすべての音符は、遥か彼方からの 風に運ばれたように、彼女自身の深い内面からのものに変容してしまうのだ。」※2 by プラシド・ドミンゴ 『カラスの後から歌う』（イザベル・パトリ オット編）『ラヴァンセーヌ・オペラ』一九八二年十月 ------------------------------------------------------------------------------- ※1「」引用：BBC Four Documentary 2006 "Joan Sutherland - The Reluctant Prima Donna"より 訳)アオキヒロシ/ DVD「Joan Sutherland - The Reluctant Prima Donna」 ※2「」引用： デーヴィッド・A・ロウ 訳）千代田 晶弘 新書館 新 版 1999 『マ リア・カラス：批評・思い出・記録』より |
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